三月に入り暖かい日が増え、春が近づいてきているのを感じます。
さて、以前お話した民法改正の続きをしたいと思います。
今回の民法改正では自筆証書遺言についても改正がありました。
自筆証書遺言とは、自筆で書き上げる遺言書で手軽に費用もほとんど掛からずに作成できる遺言です。
改正前は、自筆証書遺言は、全文自書しなければなりませんでした。
特定の財産を特定の人に与える場合は、財産を特定できる項目を記載する必要があります。
例えば、預貯金であれば金融機関名や口座番号、不動産であれば登記事項(所在地、地目、地番、地積など)を記載しなければなりません。
これらも含めて全文を自書しなければなりませんでした。
しかし、今回の改正でパソコンで作成した財産目録や預貯金通帳のコピー、登記事項証明書を添付することができるようになりました。
また、改正前は自筆証書遺言は自身で保管しなければなりませんでした。
この点、改正法(2020年7月10日から)では法務局で遺言書を保管してもらえるサービスも開始されます。
この保管サービスを利用すれば、裁判所の検認が不要になったりとメリットがあります。
しかしこれらの改正によって、自筆証書遺言がすべて問題なしとは言えません。
法務局で保管をしてもらう場合、遺言が法的要件を満たしているか(署名捺印がある等)は確認してもらうことはできますが、内容が実際の手続きで使えるかどうかまでは確認してもらうことは出来ません。
遺言書には自筆証書遺言以外に秘密証書遺言、公正証書遺言と種類があります。
遺言書を作成する際はそれぞれメリットデメリットを確認して、作成する必要があると思います。
豊田
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