所有者不明土地

2020年10月27日(火)

 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法が令和元年6月1日に全面施行されて一年が経ちました。そこで所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法について少し説明させて頂きます。

まず、この特別措置法が成立した背景には、人口減少・高齢化の進展に伴う土地利用ニーズの低下や地方から都市等への人口移動を背景とした土地の所有意識の希薄化等により所有者不明土地が全国的に増加しており、今後も相続機会が増加する中で所有者不明土地も増加の一途をたどることが見込まれていることと所有者の特定等に多大なコストを要するため公共事業の推進等に遅れが生じ大きな支障となっています。

 一般的に地方の山間部で所有者不明土地が多いと言われており、土地の所有者が亡くなった後その所有者の相続人等が地元を離れたことで登記を済ませていないケースが多いようで、国土交通省の平成28年度地籍調査における土地所有者等に関する調査によると所有者不明土地は土地面積にすると約410万ha(九州の土地面積368万ha)になるようです。所有者不明土地があると不法投棄や土地の再開発利用が進まないといった問題が生じてきます。

そこで、所有者不明土地を円滑に利用する仕組みとして反対する権利者がおらず、建築物がなく、現に利用されていない所有者不明土地について、以下の仕組みを構築しました。

①公共事業における収用手続の合理化・円滑化(所有権の取得)

国、都道府県知事が事業認定した事業について、収用委員会に代わり都道府県知事が裁定

②地域福利増進事業の創設(利用権の設定)

地域住民等の福祉・利便の増進に資する事業について、都道府県知事が公益性を確認し、一定期間の広告に付した上で、利用権(上限10年間)を設定できる。ただし途中で所有者が現れ明け渡しを求めた場合は期間終了後に原状回復を行ない、最初に設定した期間終了後に返還することになる。(異議がない場合は延長可能)

また、所有者の探索を合理化する仕組みとして、土地の所有者の探索のために必要な公的情報について行政機関が利用できる制度を創設、長期間にわたって相続登記等がされていない土地について登記官が長期相続登記等未了土地である旨等を登記簿に記録することができる制度を創設。所有者不明土地を適切に管理する仕組みとして、所有者不明土地の適切な管理のために特に必要がある場合に地方公共団体の長等が家庭裁判所に対して財産管理人の選任等を請求可能にする制度が創設されました。このほか、平成30年11月15日から今後相続登記が放置されるおそれのある土地に対応するため、一定の資産価値が高くない土地についての相続登記の登録免許税の免税措置も開始されました。免税措置の詳細については法務局のホームページをご覧ください。

 

服部

  |  

「親切」「安心」「誠実」をモットーに、
ご家族さまがかかえている「相続・遺言」の悩みを
丸ごと解決いたします。
お困り事があれば、相続のプロに相談ください。

三重県鈴鹿市・四日市市/愛知県名古屋市を拠点に、相続・遺言のサポートを行っている当社は、年間200件以上ものご相談を承っている「相続・遺言手続き専門の司法書士事務所」です。「紹介したい司法書士事務所ナンバーワン」を目指して、これからもより一層、サービスの充実を図ってまいります。

お客さまに必要な手続きが何なのか整理することから始まり、相続・遺言の円満完了まで、全て当事務所が行いますので、ご安心ください。ご家族の皆さま方が、最高の笑顔で相続を締めくくることができますよう、全力でサポートいたします。

年間のご相談実績200以上
相続・遺言」に関するお困り事は当事務所までご相談ください!

「お客さまに必要な手続きの整理・切り分け」から
当事務所が行いますので、知識ゼロの状態でOKです。
お気軽にお越しください。

0120-019-168

営業時間 / 9:00〜18:00
定休日 / 土日・祝日

Web問い合わせ
Return to Top ▲Return to Top ▲